[五味の作用と食材を知ろう]
薬膳には「五行」という考え方があり、自然界に存在する現象を「木・火・土・金・水」の5つに分け、これらが均衡を保つことで、あらゆるものの調和が取れていると考えられています。
五行にはそれぞれに属する「五味(酸・苦・甘・辛・鹹)」と「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」があり、五味が五臓を補うことで、心身を整える効果があるといわれています。また、春夏秋冬に長夏を加えた「五季」があり、季節とも深い関わりがあります。
●酸味→春
主な作用は、止血、鎮痛、防腐などの収斂(しゅうれん)、筋肉の引き締め、汗や尿が出過ぎるのを防ぐなど。代表的な食材に、梅、酢、トマト、レモン、リンゴ、梨などがある。
●苦味→夏
主な作用は、燥湿、清熱、便通を促す瀉下(しゃげ)、体内の余分なものを排出するなど。主な食材に、苦瓜、緑茶、菊花などがある。
●甘味→長夏
主な作用は、緊張や痛みの緩和、体力や抵抗力を高める補益作用、滋養強壮、止痛など。主な食材に、玄米、はちみつ、大豆、かぼちゃ、にんじん、だいこん、れんこんがある。
●辛味→秋
主な作用は、発散作用、気血の流れを良くするなど。主な食材に、ネギ、シソ、しょうが、にんにく、とうがらし、ニラなどがある。
●鹹味(かんみ)→冬
塩辛い味。主な作用は、しこりや腫瘍を柔らかくする軟堅作用、便を柔らかくする潤下作用など。主な食材に、海苔、昆布、わかめ、カニ、エビなどがある。
[心の働きを助けるはちみつ薬膳]
トマトのスムージー
見た目が鮮やかで、手軽に栄養チャージができるトマトのスムージー。
体の熱を鎮め、水分補給をしてくれるトマト。スーパーなどで一年中買うことができますが、トマトの旬は5月下旬~8月。旬の夏こそ摂りたい食材です。
●材料(約300ml)
トマト・・・1個
リンゴ(赤)・・・1/2個
ヨーグルト(無糖)・・・100g
レモン果汁・・・小さじ2
はちみつ(カラスザンショウ)・・・大さじ1
●下準備
1.トマトのヘタを取ってざく切りにし、フリーザーバッグに入れて冷凍庫で凍らせる。
2.リンゴの芯を取ってサイコロ状に切る。
●作り方
1.ヨーグルト、レモン果汁、はちみつ、リンゴの順に容器に入れ、ハンドブレンダーで撹拌する。
2.さらにトマトを加え、なめらかになるまで撹拌する。
3.お好みではちみつを加え、よく混ぜて完成。
トマトのスムージーに使われたはちみつは、山口県産の烏山椒はちみつ(廣田養蜂場)。ミカン科の烏山椒は静岡県から南の地域が産地で、その花蜜は夏の貴重な蜜源植物です。
山椒のようなスパイシーな風味があり、甘くてほろ苦い大人の味が楽しめます。甘さのなかにすっきりしたスパイス感が共存している独特の味わいは、はちみつレモンにもぴったりです。
[はちみつレモンが常備調味料に!]
はちみつレモンを常備していて調味料として活用しているという河村さん。はちみつレモンといえば、水やお湯で割ってレモネードにしたり、炭酸水で割ってレモンスカッシュにしたり、ドリンクとして楽しむイメージですが、じつはおかずからデザートまで使える万能調味料なのだといいます。「レモンを切るのはちょっと面倒くさい……」という人は、市販のレモン果汁とはちみつで作るのがおすすめです。
そんな常備しておけば頼りになるはちみつレモンの使い方をご紹介します。

ミニトマトをはちみつレモンに漬けるだけで、デザート感覚で食べられるトマトのマリネに。トマトの湯むきは手間がかかりますが、「ミニトマトを一度凍らせてから水に浸けると、皮に亀裂が入ってツルンと簡単にむくことができます。はちみつレモンの味もしっかり染み込みますよ」とのこと。
にんにくと塩で味つけしたひよこ豆のペーストに、はちみつレモンの甘さを加えたフムス。「はちみつレモンの甘さを加えることで、誰でも食べやすくしました」と河村さん。フムスは栄養価が高く、低GI なので、パンに塗るバターやマヨネーズをフムスに置き換えるとヘルシーで食べ応えも十分です。
はちみつに含まれる酵素やレモンに含まれるクエン酸が肉を柔らかくし、臭みを消してくれます。煮込み料理も、はちみつレモンを常備していれば栄養がプラスできるうえに時短にも! これも、はちみつレモンが万能といわれる理由のひとつです。
見た目にも涼しげなはちみつレモンピール寒天。なめらかな舌触りの寒天のなかに、つぶつぶのレモンピールがアクセントになっています。はちみつレモンのさわやかな風味が、食後のお口直しにもぴったりです。
ご紹介したはちみつレモンレシピは『はちみつレモンレシピ(主婦と生活社)』に掲載されています。「この本では手に入りやすいアカシアはちみつを使っていますが、どんなはちみつでも作れます。ただし蕎麦や栗などのはちみつは、クセが強すぎるので避けたほうが無難です」。すっきりさせたり、コクを出したり、合わせるはちみつによって違う味わいが楽しめそうですね。